知っ得コラム
2014.7.16インドでの出来事
先日、ミャンマー(旧ビルマ)に行かれたお坊さんにお話を伺いました。
皆様もご存じの通り、ミャンマーには19万人の旧日本軍戦死者が祖国に帰ることなく眠っておられます。
お坊さんは、その供養をさせていただくためにヤンゴン、バガン、マンダレー、メイミョーと旅をされ、それぞれの寺院で手を合わせていかれました。
メイミョーのとある農家に来られた時、現地の方しか知らないところに日本軍が建立したと思われる石碑があると聞き、立ち寄られました。
元イギリスの植民地であったミャンマーは現在、ヨーロッパの財閥たちが土地を購入し観光地として開拓しつつあります。
そんな中、その農家へも再三ヨーロッパの方々が購入したいと交渉に来ているそうです。
しかし、住民は日本軍が建立した石碑をずっと守り、また、農業も守りたいという一心で断り続けています。
そして畑に入る道にブロックで高い壁を作り、許可がないと入れなくしてまで守っておられます。
お坊さんは、現地の方に案内され梯子でその壁を乗り越え石碑まで行くことができました。そして、住民に見守られながらお参りをされたそうです。
その感動は、19万人の戦死者の無念な思いと、それを日々感じながら共に生きておられる現地の方々の温かい思いとが混ざり合い、言葉では言い顕わすことのできない程の感動だったそうです。
当霊園は3000基を超えるお墓が建立されています。そして、約5000人のご遺骨をお預かりしています。
日々、日常生活で感動することは多いと思いますが、人の生死にかかわる感動の思いは何よりも素晴らしいことではないかとお坊さんから学びました。