知っ得コラム
2024.4.16「娑婆(しゃば)」とは…?
ドラマなどで刑務所から出てきた人が「シャバの空気はうまいな」とセリフをこぼすシーンがありますが、この「シャバ」、サンスクリット語の「サハー」の音写で、漢字では「娑婆」と書きます。ドラマでこういう時の使われ方としては、収容施設内の生活とは対照的な、一般社会での解放された生活を象徴する言葉として使われますよね。
ところが仏教用語の「娑婆」はこれとは逆の意味で、「忍土(にんど) 」という意訳語として使われます。サンスクリット語のサハーは“耐え忍ぶ”と訳され、忍土とは「苦しみを耐え忍ぶ場所」のことを言います。私たちが生活しているこの世の中は、本質的に“苦しみを耐え忍ぶ場所である”というのが仏教での世界観となります。