いとしま絵散歩
当園チラシでも紹介している人気シリーズ「いとしま絵散歩」。糸島の見どころを、色彩豊かなイラストで紹介しています。
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「ロマンが広がる神在の巨石」
私たち二見ヶ浦公園聖地の所在する糸島市にはその名も神々しい「神在(かみあり)」という地名がございます。その昔、三韓征伐へ向かう途中の神功皇后(じんぐうこうごう)が、この辺りをお通りになられた際、紫色にたなびく雲をご覧になられ、「霞たなびき、神が在られる」と言われたことが地名の由来とされています。
そしてこの地域に鎮座するのが「神在神社(かみありじんじゃ)」。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)をはじめ菅原神まで七体の神様が祀られ、埴安命(はにやすのかみ)の足形石も安置されている由緒ある格式高い神社です。粛々と静かにこの地で時を繋いできましたが、数年前、神社から奥に進んだ場所にある「神石(しんせき)」が新聞などで紹介されて以来、多くの人が参拝に訪れるようになったようです。
神石は、神在神社の社殿から歩いて五分ほど進んだ竹やぶの中に現れます。数年前までは地域の人にさえもその存在を知られていなかったようですが、その外周は約16メートル、高さは約4メートルの巨大な石。下から見上げるとその迫力に圧倒されます。
神石の周りでは勾玉(まがたま)も発見されたことがあるそうで、「ここで祭祀が行われていたのでは?」「なぜここにこんなに大きな石が?」などなど、古墳や史跡が多い糸島だけに、太古に思いを馳せるとロマンが広がります。
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泉川のハマボウ群落
[所在地]糸島市加布里 泉川
JR筑前前原駅から徒歩約15分
コミュニティバスはまぼう号 初深江線 加布羅下車 徒歩すぐ
昭和バス 船越線・野北線・芥屋線(道目木経由)加布羅下車 徒歩すぐ「朝日に輝く可憐な黄色い一日花」
糸島市を流れる雷山川の下 流(通称・泉川)に、毎年七月 から八月にかけて、両岸合計 約1.7キロに700株以上の 黄色い花で川岸を彩る「ハマボウ 」。
ハマボウは日本では関東より西側の本州と四国・九州、お隣の国・韓国の済州島に分布する、高さ1メートルから4メートルの落葉低木。直径5センチから8センチの淡い黄色のかわいい花をつけます。朝日が昇るとともに太陽の方角を向いて開花し、夕方には萎んでしまう一日花。
このハマボウ、海流を利用して分布を広げることができ、特に河口付近や内湾岸に群落を形成します。かつては日本の海岸部などで一般的に見られる植物でしたが、護岸工事や河川改修などによって全国的に減少傾向にあり、 今では絶滅危惧種にも指定されています。この状況下でも自然豊かな糸島では、その地形と気候・風土条件もあいまって泉川に生息。全国的にも500株を超える群生は珍しく、このエリアは九州でも最大級の群落として県の天然記念物にも指定されています。 泉川のハマボウは、自然環境保護ボランティア団体の皆さまの活動により、定期的に草刈りやゴミ拾いを行っていただいていることで大切に守られています。
七月に入ると下旬頃までは毎日のように可憐な黄色い花の群生を見ることができますので、ぜひこの時期に糸島にお越しになる際はお立ち寄りになり、全国的にも希少な、大切に守られた黄色い命の輝きをご鑑賞ください。
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「心地良い夏風を感じながら
糸島で釣り三昧」初心者から上級者まで楽しめる釣りのポイントが豊富な糸島半島。
加布里漁港・唐泊漁港・芥屋漁港・大入漁港・深江漁港・福吉漁港…、糸島は海に囲まれた半島ですので多くの漁港が存在します。 もちろん漁港付近には様々な種類の魚が集まり、釣り好きの間では絶好の釣りポイントとして知られています。
また、外海が荒れていても波が穏やかなことが多い糸島半島の海は、初心者にとっても釣りの成果を上げやすいおすすめのポイント。 中でも、カゴにオキアミなどのエビを入れて釣る“サビキ釣り”で釣る小さいサイズのアジ「アジゴ」は人気の高い魚種のひとつ。釣ったあとはフライや南蛮漬けなどで食されている方が多いようです。
福岡の都心方面から海沿いで当霊園に向かう途中には、ご家族連れでも安心して楽しめる「海づり公園」もあります。都心の喧騒から離れ、海や山などの自然を眺めながら釣りを満喫することのできる糸島。
ただし、釣り禁止の看板のある場所での釣りや、路上駐車・ゴミ放置などの迷惑行為などはくれぐれも控えましょう。
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「糸島孤高の峰、可也山」
可也山は、玄海国定公園に含まれる標高365mの山で、大部分が花崗閃緑岩からなる独立峰。
東側から望むシルエットは富士山に似ており、孤高で悠然とそびえる姿は威厳と風格を感じられます。そのため「糸島富士」「小富士」などとも呼ばれます。
この可也山の名は、朝鮮半島の伽耶山(かやさん)に由来するとの説があり、古くは万葉集にも、新羅に赴く遺新羅使たちの心が詠われています。また、良質な花崗岩が採れることでも有名で、江戸時代に黒田長政が寄進した日光東照宮(栃木県)の大鳥居に使用した石切り場の跡を、今でも山中のいたるところで見ることができます。
桜の時期が終盤を迎えて花びらが散る頃には、電車の振動で桜の木の枝が揺れ、走り去る電車とともに河畔に桜吹雪が乱れ散る様子に児童が賑わいを見せるのもこのスポットならでは風物詩です。
山の頂には神武天皇を祀った可也神社があり、平野部をはじめ玄界灘も見渡す360度の大パノラマが魅力。約八千本の早春の梅林をはじめ、四季折々の色彩豊かな山景色も堪能でき、登山道は細いながらもきちんと整備されていますので、お子様から大人まで安全に楽しめる初心者向けの登山コース。山頂までは一時間程度。気軽に登れる糸島半島の観光名所のひとつですので、糸島にお越しになられた際には、昔に想いを馳せながら登ることのできる可也山にお立ち寄りになられてみてはいかがでしょうか。
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花の名峰 井原山
[所在地]福岡県糸島市瑞梅寺付近・佐賀県との県境
JR筑肥線「筑前前原駅(北口)」から井原山線 「井原山入口バス停」下車、 瑞梅寺登山口より山頂までは徒歩約2時間
※瑞梅寺登山口・水無登山口があります。「花の名峰 井原山」
糸島市南部、福岡と佐賀の県境である脊振山系の一角に位置する井原山(いわらやま)は、この山系の中で脊振山に次いで二番目の高さを誇る標高983㍍の高峰。その頂上からの眺望は、周りの山々から玄界灘まで360度を見渡す大パノラマ。
イチリンソウやヒメレンゲ、ヤマボウシなど、春から秋にかけてさまざまな花が咲くことから「花の名峰」とも呼ばれ、多くの登山者に親しまれています。
七月中旬から下旬にかけては「オオキツネノカミソリ」が見頃を迎えます。キツネを連想させる橙色の美しい花弁と、剃刀のような形をした葉っぱから名称が付いたとされています。
関東から九州にかけて分布する花ですが、実は井原山は九州最大のオオキツネノカミソリの大群生地。花が咲く頃には葉が落ちて長い茎と花だけになる凛とした姿が登山道に群生する様は、まるでオレンジ色の絨毯のようだと称され、頂を目指す登山者の目を魅了してくれます。
山道の道中は、シダ植物の群生や滝つぼのすぐ近くまで行けるアンノ滝(高さ13㍍)をはじめとする大小の滝、沢の水の涼も感じられ、夏山の登山初心者にもちょうどよい約4時間程度の森林浴コース。
お墓と同じように、後世に受け継がれるよう、花の名峰の自然環境は大切に守っていきたい糸島の財産です。
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「地域ぐるみで維持され続ける
池田川沿いの桜並木」毎年、桜が咲き誇る時期には並木に沿って多くの方々が散策される糸島の桜の名所のひとつ、波多江小学校の東側を流れる池田川沿いの桜並木。
約200本の桜の木が池田川(瑞梅寺川)の両岸に立ち並び、地元では「清廉桜の並木道」と呼ばれています。
まわりには田んぼや畑が広がる田園風景もあり、若草色と白がかったピンクの桜の色のコントラストの美しさに目を奪われます。この桜並木はもともと地元の方々が小学校の児童のために植えた桜がはじまりで、今でも地域ぐるみで手入れを続けておられ、この時期のこの景観を大切に守られています。
橋の欄干から見るのも良い眺めですが、桜の間から鉄橋を渡るJR筑肥線の車両を待ち構え、電車がまるで桜並木のトンネルの中をくぐり抜け、鉄橋をわたって向かいの桜並木の中に吸い込まれていく様は、今も昔も変わらぬ郷愁に駆られる風情あふれる光景。
桜の時期が終盤を迎えて花びらが散る頃には、電車の振動で桜の木の枝が揺れ、走り去る電車とともに河畔に桜吹雪が乱れ散る様子に児童が賑わいを見せるのもこのスポットならでは風物詩です。
JR筑肥線の波多江駅と筑前前原駅の間には、3月16日に新しい駅「糸島高校前駅」が開業します。より快適に、ますます賑わいを見せる活気ある糸島。お彼岸のお墓参りや見学で当園にいらっしゃる際には、ぜひ糸島の春の風景もあわせてお楽しみください。
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「樹齢四百年、鎮守の紅葉
雷山千如寺の大楓」福岡市からは車で約1時間、糸島市の中心部からは約20分程度。雷山(らいざん)の中腹程に位置する雷山千如寺大悲王院。
インドの僧・清賀上人によって開創され、鎌倉時代には元寇に対する最前線の祈祷寺院としての重要な役割を果たしていたといわれています。
境内には、福岡県指定天然記念物である樹齢約四百年といわれる大楓があり、千如寺の厳かな雰囲気の中、色鮮やかに堂々とそびえ立っています。
ご本尊である高さ約4.8mの巨大な「木造十一面千手千眼観世音像」は、国指定重要文化財に指定されています。拝観料をお支払いすると寺院内を見学でき、時間によりご本尊のご開帳に手を合わせることが出来ます。
木造十一面千手千眼観世音像に手を合わせた後、お坊さんによる寺院の説明も拝聴することが出来ます。
約200本以上の壮観な紅葉は十一月上旬~十一月下旬頃が見頃。
お墓参りや見学で当園・二見ヶ浦公園聖地にお越しの際は、この季節にぜひお寄りください。
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「心地良い自然の涼
県指定の名勝 白糸の滝」糸島市の南側、羽金山の中腹530mに位置する白糸の滝は、文字どおり岩肌を白い糸のように流れる優しい雰囲気の滝です。
県指定名勝にも選ばれ、周囲には樹齢300年以上と言われる3本のカエデ(県指定天然記念物)が枝葉を誇り、滝とともに見事な景観を醸し出しています。
滝周辺は「白糸の滝ふれあいの里」として、四季の茶屋・滝見水車・展望所・ヤマメの釣り堀等が整備されています。
ヤマメ釣りは1竿二千円(釣竿レンタル・餌付)で4匹まで釣ることができ、釣れなくても3匹までプレゼント。釣ったヤマメは1匹百円で塩焼きにできます。
5月ゴールデンウィークの「ヤマメ釣りまつり」から名物のそうめん流しが始まり、夏場は涼を求めて集まる観光客で賑わいます。6月下旬から7月中旬までは、約10万本のアジサイが咲き誇り、美しい花園として皆さまを迎えます。 一年を通して花々や水のせせらぎなどを体感して、自然とのふれあいを楽しめる癒しのスポットです。
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「冬を賑わす糸島の風物詩」
糸島半島に点在する漁港(船越・岐志・唐泊・加布里・福吉)等には、11月~3月に「カキ小屋」が立ち並びます。牡蠣を購入した後、炭火等で加熱・調理し飲食するというバーベキュースタイル。海からあがったばかりの牡蠣を自分の手で焼いて食べる醍醐味は格別です。
近年では牡蠣はもとより、サザエ・ハマグリ・ウニ等の魚介類や、地域で生産された水産加工品なども提供する小屋も増えました。また、店内では魚介の美味しい食べ方などを直に聞けたりと、産地ならではの雰囲気も味わえます。
牡蠣は「海のミルク」と称されるほど、多くの栄養素が含まれており、中でも糸島の牡蠣の美味しさには、山と海が隣接する恵まれた自然の地形に秘密があります。
海に運びこまれる緑豊かな糸島の山や森の水には、たくさんの栄養分が含まれ、その栄養分が流れこむ海の環境だからこそ、旨みたっぷりの美味しい牡蠣が育つというわけです。
寒い季節に小屋の中で火を囲むみんなの笑顔と海の恵みに幸せを感じられるカキ小屋は、糸島の冬の風物詩です。
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「水温む今津の潮干狩り」
毎年三月から五月、多くの人が訪れる糸島半島の潮干狩りスポットといえば福岡市西区の今津海岸。博多湾に突き出したその地形により、ヤフオクドームや福岡タワーといった福岡の名所を望む絶好のロケーションで、これだけ広い干潟は県内でも有数。
ここでは有料の潮干狩りを行っており、地元の人々はもとより県内外からもご家族連れなど、多くの人出で賑わいます。
採取できるアサリは形の揃った良質のものが多いと評判。大潮で潮が引いたときが一番の狙い目です。資源保護のため3㎝以下のアサリの持ち帰りはできませんが、専用のネットを使って思う存分採ることができます。(料金は中学生以上五百円、小学生以下二百円、組合指定ネットは1人1袋百円)
アサリは砂地の環境に適応した保護色になる貝です。 環境が良いと殻が薄くて模様がきれいであるといわれています。貝殻で産地がわかるそうで国産のものは殻の模様がはっきりしてるとのこと。
産卵に備えて玄界灘の良質なプランクトンを食べて栄養を蓄えるこの時期の今津海岸のアサリは、磯の香りと春の訪れを感じられる絶妙な美味しさです。
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「青松と白浜の幣の浜」
玄海灘を見渡す二見ヶ浦公園聖地からほど近い、野北から芥屋までの約6㎞にわたる白い砂浜と松原が続く弓張り型の海岸線「幣の浜(にぎのはま)」。福岡・佐賀・長崎、3県の沿岸を中心に指定された「玄海国定公園」を代表する白砂青松が美しい海岸線です。美しい景観と澄みわたる海水の水質の良さにより、日本の「白砂青松100選」にも選ばれています。
その昔、筑前国(現在の福岡県)・黒田藩士として筑前国続風土記の編纂などを行った学者・貝原益軒(かいばらえきけん)が遊んだ砂浜としても伝えられています。NHK大河ドラマ「北条時宗」(平成13年放送)の蒙古襲来の白熱したシーンの撮影も、ここ幣の浜で行われました。
玄海灘の波が打ち寄せる砂浜は、夏の海水浴場としてだけではなく、四季を通じてサーフィンができる人気のスポット。
松の緑と真っ白い砂浜、青い海、寄せては返す白い波のコントラストはうっとりするほどの美しさで、絶好のドライブコースです。玄界灘を橙色に染めながら沈む壮大な夕日は、太古の昔から変わることなく、見る人を魅了します。
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「夫婦岩大注連縄掛け」
糸島・桜井の二見ヶ浦は、三重県伊勢市の二見ヶ浦の「朝日」の美しさに対し、「夕日」の美しさでも知られる景勝地。古くから「竜宮の入り口」とも伝えられる桜井二見ヶ浦の夫婦岩は、桜井神社の宇良宮(裏宮)のご神体で、海中の鳥居は「桜井型神明造両袖構」と称する独特の型をしています。
夫婦岩には注連縄(しめなわ)が渡されているのは皆様もご存知ですよね。夫婦岩の男岩と女岩をつなぐ注連縄の長さは約30m、重さはなんと約1t。そしてこの大注連縄には、五穀豊穣や無病息災などの願いが書かれた紙が編み込まれています。
年に一度、毎年四月下旬から五月上旬の大潮の日に大注連縄は掛け替えらます。神事の後、桜井神社の六十余人の法被姿の氏子たちが注連縄を担いで潮が引いた海を歩き、約150m沖合いの夫婦岩まで運んで慎重に掛け替えを行います。